共著 Multiple authorship
内山大介・辻本侑生『山口弥一郎のみた東北-津波研究から危機のフィールド学へ-』文化書房博文社 2022年2月 ISBN:978-4-8301-1325-3
福島県の会津に生まれ、教師として暮らしながら東北各地で地理学や民俗学の研究を行った山口弥一郎。東日本大震災後に著書『津浪と村』が復刊され、その名は広く知られることになった。一方で山口は戦前の炭鉱研究や昭和初期の東北に頻発した凶作に関する調査、戦中戦後の動乱期に翻弄される農村を記録する取り組み、戦後のダムに沈む村の調査など、同時代における様々な地域社会の問題に向き合い続けた。本書では、山口が残した膨大な旧蔵資料を手掛かりにして、その人生と学問の軌跡を追い、災害多発時代を生きる我々にとっての学問の意味を考える。
植木行宣監修・福原敏男・西岡陽子・橋本章・村上忠喜編『山・鉾・屋台の祭り研究事典』思文閣出版 2021年3月 ISBN:978-4-7842-2010-6(担当:内山大介「会津田島祇園祭」「二本松の提灯祭り」)
全国には、山・鉾・屋台、山車、曳山、だんじりなどが巡行する祭りが千数百も伝承されている。本事典は、2016年末、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に「山・鉾・屋台行事」として記載された、33の国指定重要無形民俗文化財をはじめとする125の山・鉾・屋台の祭りをとりあげる。さらに共通性と多様性の視点から、日本の諸地域の祭り文化の特質をわかりやすく紹介するとともに、研究者による専門的論考・コラムもあわせて収録し、今後の研究、伝承、保存などの一助とせんがために編んだものである。
佐野賢治編『現代民俗学考─郷土研究から世界常民学へ』春風社 pp.581-601 2021年3月 ISBN:9784861107085 (担当:内山大介「会津鋸の生産と流通―鋸鍛冶と金物卸商の近現代」)
「現代社会における民俗研究の意義」「仏教民俗研究の新視角」「“モノ”語り―民具・地域博物館・文化創生」「民俗比較と国際常民文化研究」の4分野、42編の論稿から成る、佐野賢治古稀・神奈川大学退職記念論集。
福田アジオ責任編集『知って役立つ民俗学 現代社会への40の扉』ミネルヴァ書房 pp.228-233 2015年3月 ISBN:462307126X(担当:内山大介「なぜ「ウチの会社では」というのか?~ウチの意識・ソトの意識~」)
「縁側って何?」「なぜお守りをもつの?」「お墓にはどんな意味があるの?」といった日常の素朴な疑問から、家族関係、介護、差別、自然破壊など現代の社会問題まで。農山漁村や伝統的な民俗事象を対象にしてきた民俗学が、今の日本の暮らしや社会を語るとどうなるのか。日々の生活や現代の問題を、民俗学の視点から考えられるようになる一冊。多様な分野の身近な疑問から出発して、生活や社会につながる民俗学の世界へと誘う初学者必携の書。
石井正己編『国際化時代と「遠野物語」』三弥井書店 pp.164-165 2014年8月 ISBN:4838232667(担当:内山大介 書評 「石井正己著『遠野の民話と語り部』」)
時空を超え、遠野から日本、日本から世界へ放つ広角レンズにうつる『遠野物語』の本質を読み解く。
阿部浩一・福島大学うつくしまふくしま未来支援センター編『ふくしま再生と歴史・文化遺産』山川出版社 pp.171-189 2013年11月 ISBN:4634150492(担当:内山大介「奉納絵馬の救出と地域の活動 -須賀川市朝日稲荷神社の事例-」ほか)
福田アジオ, 内山大介, 小林光一郎, 鈴木英恵, 萩谷良太, 吉村風編『図解案内 日本の民俗』吉川弘文館 pp.40-47,pp.60-65,pp.74-79,pp.220-223 2011年12月 ISBN:4642080619(担当:内山大介「大工」「左官・鳶」「石屋・屋根屋」「建具屋・畳屋」「町並み」「団地の生活」「盛り場」「市と行商」「店と商い」「商業と信仰」「諏訪信仰」「祇園信仰」)
移りゆく社会の中で変貌し、再生し続ける日本の生活文化。今日、言葉だけでは具体的なイメージをつかむことは難しくなっている。そんな全国の民俗事象を、1800点を超える豊富な図版で表現。遊びや現代都市のイベントも盛込み、日本の民俗をわかりやすく解説。民俗学を学ぶ人はもちろん一般読書人にも最適な、「見て学ぶ」ユニークな民俗学入門。